Warrant, warranted, unwarrantedの英語論文中での使い方

英語論文でWarrant, Warranted, Unwarrantedはどのように使えば良いのですか?

“Warrant,” “Warranted,” “Unwarranted”は全て同じような単語ですが文脈により意味が異なってくるため英語論文で最もよく見られる使い方を紹介した例文と解説させて頂きます。

まず、英語論文で最も使われる表現のひとつに以下の例文の “warrant further investigation”という熟語があります。これは「さらなる研究を正当化する」という意味です。

1番の例では今回の研究で明らかになった課題の探究は恐らくより大きな成果に繋がる可能性が示唆されるため今後の研究で他の研究者の方々が時間と労力をかけて研究するだけの価値があることを示しています。

  1. These issues raised in our study warrant further investigation into the mechanical properties of the cells.

この研究で浮かび上がった課題は細胞の機械的性質のさらなる研究を正当化する(時間と労力をかけることに値する)ものである。

2番は1番と同じ “warrant further investigation”ですが、SGLT2阻害薬が長期にわたり心臓に悪影響を及ぼすことが今回の研究でわかったので今後この課題について「更なる研究の必要性が示された」という意味合いが強調されています。

2. The elucidation of the long-term cardiac effects of SGLT2 inhibitors warrants further investigation.

SGLT2阻害薬が長期にわたり心臓に及ぼす影響が明らかになったことで更なる研究が正当化された(必要性が示された)

3番はアンジオテンシン変換阻害薬の使用が血管性浮腫の発症に繋がる可能性が今回の研究で示唆されたので他の薬の使用が正当化された、論理的根拠が成立したことを表しています。

3. The development of angioedema warrants the substitution of an angiotensin converting enzyme inhibitor by an angiotensin receptor blocker.

血管性浮腫の発症はアンジオテンシン変換阻害薬をアンジオテンシン受容体遮断薬で置換することを正当化するものである(論理的根拠を与えるものである)

4番の“warrant the conclusion”も英語論文でよく使われる熟語で「結論を支持する」、「結論の信頼性を高める」という意味でディスカッション・セクションで研究結果について考察する時によく使われます。

4. The correlation coefficients were too small to warrant the conclusion that air pollution levels are associated with the prevalence of diabetes.

相関係数が小さすぎたため大気汚染の程度が糖尿病の有病率に関連するという結論を支持する(結論の信頼を高める)には至らなかった

5番の“Warrant a diagnosis of A”も同様にある特定の細胞の異常などが「診断を正当化する」、「診断の信頼を高める」という意味で診断のカギとなる事柄を強調して書きたい時に有用です。

5. Specific abnormalities in cells warrant a diagnosis of cancer.

細胞の特異的異常はがんの診断を正当化する(診断の信頼を高める)

6番と7番は今までの例より単純でさらなる研究や個別の治療プログラムが「当然必要である」ことを表しています。

6. Additional studies are warranted to determine whether Omega-3 fatty acids prevent psychiatric disorders.

オメガ3脂肪酸が精神疾患を防ぐかどうかについてはさらなる研究が当然必要である

7. An individualized therapy program is warranted to address the specific needs of each patient.

各患者特有のニーズに対処するために個別の治療プログラムが当然必要である(実行に値する)

8番の “Caution is warranted”はディスカッション・セクションで非常によく見られる表現で“Generalizing our results”「研究結果を一般化する」ことに対する注意を促す際によく使われます。

“Generalize results of the study”「研究結果を一般化する」とはある特定の研究で得られた結果を一般的なものとして、例えば他の国、施設、環境が違う設定に適応された場合でもきっと全て同じ結果になるだろうと思い込んでしまうことを表します。

そういった思い込みをしないよう当然注意が必要であると注意を促す時によく使われる表現です。

8. Caution is warranted when generalizing our results to other cultures or institutions.

この研究結果を他の文化や施設の対象母集団に一般化する際には当然注意が必要である

9番も8番とほぼ同じですがデータを解釈する際に注意が必要であることを表す時にも “Caution is warranted in”または “Caution is warranted when”のかたちでよく使われます。

9. Caution is warranted in interpreting environmental data.

環境に関するデータを解釈する際には当然注意が必要である

最後に“Unwarranted”は10番のように「正当な根拠がない」ことを表す場合と11番のように「保証されていない」「正式に許可されていない」といった意味で使われる場合があります。

10. The indiscriminate use of antivirals in COVID infection is unwarranted.

COVID感染に対する抗ウイルス剤のむやみな使用には正当な根拠がない

 

11. The health claims of dietary supplements, currently on the market in Japan, is mostly unwarranted.

現在日本の市場に出ている栄養補助食品の保健機能はほとんど保証されていない

いかがでしたか?ご質問やご不明な点がございましたらお気軽にご連絡下さい。

How to read effectively to get the idea for your paper

今熱い研究を効率よく読んで英語論文のアイデアを得るにはどうすれば良いですか?

前回のポストで英語論文を書き始めるにはまず皆様のご興味があるトピック(題目)に関して現時点で何がわかっていて、何がわかっていないのかはっきりさせなければいけないことをご説明させて頂きました。

そのために先行研究が掲載された信頼できるジャーナルの文献を読み皆様のご興味があるトピックに関してまず何がわかっているかの証拠集めを開始するところから英語論文の作成は始まります。

しかし、ここでいきなり図書館に出向いてでジャーナルに掲載された英語論文の文献を読み始めようとすると、初めて英語論文執筆に挑戦される初心者の方はその難解さに圧倒されてしまうかも知れません。

まずは余り気負いせずにこれから数年の間、自分自身が日々向き合ってうんざりすることがない、

本当に掘り下げてもっともっと探究したいとワクワクするような題目を選ぶのが今後のご自身の精神の安定のためにも英語論文を見事に完成させるためにも大切です。

そこでジャーナルに掲載された今熱い研究を一般人にもわかりやすい英語で紹介しているサイトを活用してまずいくつか興味のある研究について読み、

ざっくりと研究課題やキーワードのアイデアを得るところから始めましょう。

このジャーナルに掲載された今熱い研究を一般人にもわかりやすい英語で紹介しているサイトは分野によって異なるため、

これら各サイト詳しい活用方法に関しては「ジャーナルに出版された文献がラクラク読める4つのお勧めサイト」のポストをご覧ください。

このポストでは初めて英語論文執筆に挑戦される医療系分野の方を念頭にMedical Xpress というサイトを活用してざっくりと研究課題やキーワードのアイデアの得ることを目的とします。

  1. Medical Xpress のサイトへ行き “Topics(題目)”をクリックする。

2. Topicsをざっと見て興味がある題目をクリックして自身が興味がある最新の研究を探す

3. “Conditions (健康状態)”をそして“Full list (全リスト)”をクリックして様々な健康状態を見てみる

4. アルファベット順に並べられた健康状態の全リストから自分の興味があるものを探してクリックする

5.ここでは例として “Parkinson’s disease(パーキンソン病)“をクリックしてみましょう。

するとParkinson’s diseaseの解説と共に最新の研究結果をわかりやすい英語で紹介した記事が閲覧できます。

6. 興味がある記事をクリックしマウスを下へスクロールして記事の下の部分でこの記事の基になったジャーナルに掲載された研究の文献の情報がDOI番号と共に得られます。

ジャーナルのDOI番号をクリックすればその記事の基となったジャーナルの文献を読むことが出来ます。

まずMedical Xpressでご自身が最も興味深いと思われる記事をいくつかわかりやすい英語で読んでおおよその研究内容を理解した上で、ジャーナルに出版された文献を読んでみましょう。

そしてジャーナルに出版された文献の”Discussion(考察)”のセクションの最後の方に恐らく次の研究課題に関する何らかの提案がされているはずですからそれらをノートに書き留めてご自身の研究の目的の焦点を絞って行きましょう。

同時にジャーナルに出版された先行研究はどのようなキーワードを使っているかの情報もノートに書き留め、ご自身の研究のキーワードを選ぶためのアイデアの収集に着手します。

これらのキーワードは最終的にジャーナルに投稿される際におおよそ3~6提出しなければならないだけではなく、

英語論文の最初の序章であるイントロダクションで”Literature Review (文献レビュー)”を書くためにインターネットで文献を検索する際に必要になります。

また、これは後程、詳しくご説明いたしますがキーワードは英語論文の骨組みの中枢の重要な役割を果たしますので今から注意してキーワードのアイデアの収集を始めましょう。

英語論文執筆の基本は他の研究者の方がジャーナルに文献として発表された内容を自分の言葉(英語)に書き換えることです。

このように他者の言葉を違うやさしいことばで「書き換える」「言い換える」ことを英語では”Paraphrase (パラフレーズ)”と言います。

英語論文のイントロダクションの大半を占めるLiterature Reviewで主に皆様が行わなければいけないことはこの「パラフレーズをする」こと、

つまり文献に書かれた情報を自分の言葉で書き換えることです。

難しい文献の内容をわかりやすい英語で書いたMedical Xpressなどに掲載された記事を読んでからジャーナルの文献を読む工程を踏むことで

ご自身が実際に英語論文を執筆される際に文献に書かれた情報を自分の言葉で書き換える上での参考が得られるでしょう。

そのため、このように難しい文献の内容をわかりやすい英語で書いたMedical Xpressなどに掲載された記事を読んでからジャーナルの文献を読んでご自身の英語論文のアイデアを膨らませる方法が特に初めて英語論文執筆に挑戦される方にお勧めなのです。

いかがでしたか?ご質問やご不明な点がございましたら以下のコメント欄にコメントしてください。

英語論文執筆のこの次のステップは「PICOで臨床疑問を設定しMeSHで英語論文のエビデンス(科学的証拠)を見つけよう!」で紹介しています。

where-to-begin-when-you-are-writing-a-manuscript-for-the-first-time

初めての英語論文の執筆で実際のところ何をすれば良いかがわかりません

初めて英語論文の執筆に挑戦される方は実際のところ何をすれば良いかがはっきりしないことが原因で不安を抱えていらっしゃる方が多いように感じます。

初めて英語論文執筆に挑戦されるの方は果てしなく長い茨の道へ足を踏み入れているように感じられるかも知れませんが英語論文を書くことは簡単に言えば皆様の分野の知識の基盤の上に新しい知識を積み重ねて行くことです。

今、皆様が関心を持たれているある特定のTopic(題目)に対して、今までの研究で既にわかっていることがある。

でも、まだわかっていないこともある。

英語論文執筆はまずその先行研究でわかっていることとまだ、わかっていないことをはっきりさせるところから始まります。

これが英語論文の最初の序章、イントロダクションで最初にやらなければならないことです。

例えば先行研究でビタミンD不足とコロナウィルスの死亡率に関連があることがわかっているとします。

でも、どのようなビタミンDの摂取方法がコロナウィルスによる死亡率を軽減できるかについてわかっていないとすれば…

そのまだわかっていない部分、

つまりどのようにビタミンDを摂取すればコロナウィルスによる死亡率を軽減できるかを明らかにすることが皆様の研究の目的となるでしょう。

このように今までの先行研究でわかっていることとわかっていないことをはっきりとさせて、

何がわかっていないかをより明確にし、

その先行研究ですでにわかっている事柄とまだわかっていな い事柄の間の知識のギャップを埋める

それが皆様がこれから執筆される英語論文で果たすべき任務なのです。

つまり、英語論文を書くにはある特定の題目に関して何がわかっているのかをまずはっきりさせなければなりません。

そのためその題目に関する文献をたくさん集め、読み、先行研究で裏付けられた証拠を論理的な話の流れに沿う順序に並べることから英語論文の作成は始まります。

英語論文は (1)序章 “Introduction”, (2)方法 “Methods”, (3)結果 “Results”, (4)考察 “Discussion”の4つの項目から構成されており

その構造はそれぞれの項目の頭文字を基に “IMRaD (イムラッド)”とよく称されます。

最初に先行研究で裏付けられた証拠を基に論理的な流れに沿って今までこの題目についておおよそわかっていることは何かを紹介する英語論文のイントロダクションの一部分を

日本語では「文献レビュー」

英語では “Literature Review”と呼びます。

この“Literature Review”の部分が英語論文の最初の項目であるイントロダクションの大半を占めます。

ちなみに一般社会で “Literature”と言うと通常は「英文学」を表しますが

英語論文の世界では“Literature”は「先行研究が掲載された文献」を表します。

イントロダクションではこの題目についてこの部分はわかっているのにこの事についてはまだわかっていない。

しかし、こういった理由でこの事を明らかにすることが重要であることを述べて研究の目的を紹介した後、

具体的に自分の推測を試すとどうなるかに関する仮説を紹介します。

メソッズでは自分の立てた仮説が正しいかどうかを検証するために使われた方法、手順について説明します。

具体的には被験者の特徴、データの採取方法、使われた器具や手順、統計分析方法などについて述べます。

リザルツでは仮説を検証して出た結果を自分なりの解釈を一切入れずに事実のみ淡々と報告します。

最後のディスカッションではリザルツで明らかになった結果が何を意味するのか自分なりの解釈を述べた後、

今後、今回の研究で明らかにされた結果が一般社会や学術界にどのような影響を与えるかに関する未来の展望を述べ次の研究課題を提案します。

つまりこれは何から始めて良いか、まだ題目もはっきりしていない場合はまずご自身の分野の英語論文のディスカッションの最後の部分を読んでみると次の研究課題が提案されているので何か良いアイデアが浮かぶかも知れません。

いかがでしたか?ご質問やご不明な点がございましたら以下のコメント欄にコメントしてください。

英語論文執筆のこの次のステップは「今熱い研究を効率よく読んで英語論文のアイデアを得るにはどうすれば良いですか?」で紹介しています。

New vs. Novel

英語論文で”New”と”Novel”はどのように使い分ければ良いのですか?

“New”は最近発見されたり/つくられたりして単に「新しい」ことを表す一般的な語である一方で “Novel”は、独創的で、創意に富み、何か興味深い、斬新さがあることを表します。

そのため、特に今後この新しい発見、研究、治療法などが新分野を開拓することや研究の突破口を開くことに繋がるような重大なものである時や皆様の発見が他と違う今までにない独創性に富んだ競争力がありそれを強調したい時にはあえて “novel”を使われた方が良いでしょう。

以下の例文では分類方式がただ単に以前のものと対比して最近つくられたものであることを表しているだけなので “new”が使われています。

The new system of classification for psychotropic drugs was developed by the Neuroscience‐based Nomenclature (NbN) and adapted by a number of renowned journals.

向精神薬の新しい分類方式が神経科学に基づく専門語(NbN)により開発されいくつかの有名なジャーナルで適応されている。

また、以下の例文のように最近開発された薬剤や分類を前からあるものと区別したい時に “new”が使われる傾向にあります。

 

a new drug has been introduced in the ACE inhibitor drug class.

新しい薬がACE阻害薬の薬剤分類に導入された。

 

Ertugliflozin is the newest member of the SGLT2 inhibitor.

エルツグリフロジン(ステグラトロ)は最も新しいSGLT2阻害薬である。

 

a new extended-release formulation has been introduced.

新しい持続放出性処方が導入された。

 

一方、 以下の例文ではこの治療法が新境地を開き良い結果につながるのではないかというワクワクとした期待感もあるので “Novel”が適切でしょう。

This novel treatment technique is likely to favorably alter the course of Parkinson disease.

この斬新な治療法はパーキンソン病の経過を好転させる可能性が高い。

 

そして独創性があり、斬新で、真新しい創意に富んでいる何かがある場合に以下のように “Novel”が使われます。

 

SGLT2 inhibitors are a novel drug class in the treatment of heart failure.

SGLT2阻害薬は心不全の治療に使われる目新しい薬剤分類である。

 

CAR-T is a novel approach to treating cancer.

CAR-T細胞療法は斬新ながんの治療法である。

 

Atopic dermatitis is a novel indication for the use of Omalizumab.

アトピー性皮膚炎はオマリズマブ使用の目新しい症状である。

 

Inhalation is a novel route of delivery of this drug.

吸入はこの薬の伝達の目新しい経路である。

 

しかし、“New”と“Novel”は類義語であるため英語論文の文脈によっては交互に入れ替えても全く問題ない場合もあります。ただ、もし皆様が斬新な創造性や独創性を強調されたい場合は“Novel”はご検討の余地があります。

いかがでしたか?ご質問やご不明な点がございましたらお気軽にご連絡下さい。