AMA 11th Edition Style Quick Guide

医学英語論文を書くためのAMA (American Medical Association) 第11版スタイル簡易ガイド

目次

医学系の英語論文を執筆中でジャーナル投稿先がまだ決まっておらず、医学英語論文の基本的な引用方法や参考文献リストの作成スタイルに迷った場合はAMA第11版スタイルのマニュアル(AMA11th edition Manual of Style) を参照されることをお勧めします。

AMA スタイルはジャーナル・オブ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(Journal of the American Medical Association [JAMA])の編集者が1963年に考案し推奨している国際的に認められた医学英語論文の引用や参考文献作成のスタイルです。

現在のところ2020年3月に改訂された第11版が最新版です。

JAMAが発行している一連のジャーナル(例:JAMA Network Open)はもちろんInternational Journal of Surgical Pathologyなどの多くのジャーナルがAMA第11版スタイル(AMA11th edition style)を推奨しているので、目標ジャーナルの投稿規定によっては博士論文をこのスタイルで書いていればある程度の微調整をすれば投稿できます。

またCancers (basel)などある特定のスタイルを一貫して使用しているのであれば特にこのスタイルで投稿しなければならない規定がないジャーナルもたくさんあるのでその場合はAMA第11版スタイルを使用して英語論文を執筆していれば国際的に幅広く使用されるスタイルなので安心です。

このスタイルの詳細については図書館などに出向かれAMA第11版スタイルのマニュアルをご覧頂くのが一番ですが、1,227ページもある分厚いマニュアルですのでここでは皆様が医学英語論文執筆中に参照できる内容を簡単にご紹介させて頂きます。

看護学、心理学など英語論文のより一般的な執筆スタイルやその他の引用例に関しては『看護学、心理学などの英語論文を書くためのAPA (American Psychological Association)  第7版スタイル簡易ガイド』のページをご覧ください。

文書全体の基本的なフォーマット(雛形)

AMA第11版スタイルは特にフォントのスタイルなどに細かい規定を設けていませんが、医学英語論文に使用されるMicrosoftワードの基本設定は以下をお勧めします。

  • Times New Romanの12ポイントまたは10ポイントのフォントを使う。
  • 2行間に設定しパラグラフ(段落)とヘディング(見出し)の間にスペースを入れない。
  • ワードのレイアウトのメニューの項目へ行き、ユーザー設定の余白で上下左右の余白を全て25.4mm (1インチ)にする。

医学英語論文本文中の引用符(上付き番号)配置の基本

AMA11版スタイルでは医学英語論文本文中に紹介された順番に引用符を「上付き」の番号(X)で以下のように記載します。

1名の著者の場合

Smith1 states…

2名の著者の場合

Smith and Wells1 report that…

3名以上の著者の場合

(a) Smith et al1 indicated that…

(b) Smith and colleagues1 indicated that….

連続した番号の複数の文献の引用

A growing body of evidence1-3 suggests…

途切れたり連続したりした番号の複数の文献の引用

Numerous studies2,5-12,16 have shown…

クオテーションマークの外 (直接引用)

“quotation marks,”1(p.123)

カンマの外

Commas,1

括弧の外

(Parenthesis )1

ピリオドの上

Period.1

セミコロンの中

Semicolon1;

コロンの中

Colon1:

医学英語論文の本文中の直接の引用

医学英語論文では特に直接の引用、つまり他者の言葉をそのまま英語論文内にクオテーション・マーク(“ ”)を使って引用することは好まれません。

これはAMA第11版スタイルでも同様です。

主に他著者の言葉を自分の言葉に書き換えた、つまり英語で言えばパラフレーズ(Paraphrase)された英文が英語論文の大半を占めるのが原則です。

ただし、以下のような場合には直接の引用(Direct quote)が認められます。

  • 定義を紹介する時
  • 著者の言葉そのものをそのまま紹介し議論する必要がある時

定義を紹介する時

以下はLazarus et alがNature Medicineで “vaccine hesitancy(ワクチン忌避)” の定義を紹介した例です。

MacDonaldと共著者の言葉がそのままクオテーション・マーク(“ ”)で引用されているので上付きにした引用番号に括弧でページ番号が入っています。

4行以上の直接引用(Direct quote)の場合はクオテーション・マークは使わずそのままの文を以下のように一行空けて本文のフォント(12ポイント)よりやや小さい10ポイントのフォントでそのままの英文をブロック引用(Block quote)として挿入します。

最近ジャーナルに出版された内容について議論するLetter to the Editorやある特定の題目に関して専門家自身の独自の見解を述べるPerspectives, Opinions, Commentaryなどと呼ばれる特別な種類の医学英語論文でこのようなブロック引用が行われます。

しかし、研究を発表することを目的としたResearch Article, Original Researchなどと呼ばれる通常の医学英語論文でこのようなブロック引用はまず適用されませんのでご注意ください。

The following is one of the best examples of the direct quotation presented by Lazarus, et al1:

In 2015, the World Health Organization (WHO) Strategic Advisory Group of Experts on Immunization defined vaccine hesitancy as a “delay in acceptance or refusal of vaccination despite availability of vaccination services,”2(p.4163) which can vary in form and intensity based on when and where it occurs and what vaccine is involved, as has been confirmed in multiple studies3,4.

以下はラザラスらによる直接引用の最良の例である。

世界保健機構(WHO)の専門家予防接種諮問委員会は2015年にワクチン忌避(vaccine hesitancy)を「ワクチンを受ける体制が整っているにも関わらず、ワクチン接種に対する長引く躊躇や拒否を示すこと」と定義した。

このワクチン忌避の表れ方や程度はいつどこでどのワクチンに対してかにより異なることが複数の研究で示されている。

1. Lazarus JV, Ratzan SC, Palayew A, et al. A global survey of potential acceptance of a COVID-19 vaccine. Nat Med. 2021; 27:225-228. doi:10.1038/s41591-020-1124-9

2. MacDonald NE; SAGE Working Group on Vaccine Hesitancy. Vaccine hesitancy: Definition, scope and determinants. Vaccine. 2015;33:4161-4164. doi:10.1016/j.vaccine.2015.04.036

3. Karafillakis E, Larson HJ; ADVANCE Consortium. The benefit of the doubt or doubts over benefits? A systematic literature review of perceived risks of vaccines in European populations. Vaccine. 2017; 35:4840-4850. doi: 10.1016/j.vaccine.2017.07.061

4. Cobos Muñoz D, Monzón Llamas L, Bosch-Capblanch X. Exposing concerns about vaccination in low- and middle-income countries: A systematic review. Int J Public Health. 2015; 60: 767-780. doi:10.1007/s00038-015-0715-6

著者の言葉をそのまま紹介して議論する必要がある時 (事例1)

以下は厚生労働省が健康・医療に関する政策をまとめた『健康日本21(身体活動・運動)』で「多くの人が無理なく日常生活の中で運動を実施する方法の提供や環境をつくることが求められる」と提言を行った時の言葉をそのままクオーテーション・マークを使って直接引用した例です。

皆様が政府機関の方針として提言が行われた内容を正確に把握しそれを受けてどういった取り組みが国で行われたかについて議論を展開して行く医学英語論文を書かれているとしたら実際にどのような提言が行われたかをはっきりさせた方が良いのでこのような場合はパラフレーズするよりこのように直接引用した方が良いでしょう。

In recent recommendations given to its citizens, the Ministry of Health, Labour and Welfare of Japan (MHLW)5(p.1) proposed “creating environment conducive to exercise or proving feasible methods to which, many citizens can easily incorporate in their daily lives, is desirable.”

厚生労働省は国民に「多くの人が無理なく日常生活の中で運動を実施する方法の提供や環境をつくることが求められる」と最近提言を行った。

5. Ministry of Health, Labour and Welfare of Japan. Healthy Japan 21(Physical activity and exercise). Kenko nippon 21 (Shintai katsudo undo). Report in Japanese. Ministry of Health, Labour and Welfare of Japan. Accessed August 26, 2021. https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/pdf/b2.pdf

著者の言葉をそのまま紹介して議論する必要がある時 (事例2)

以下はシーエー:キャンサー・ジャーナル・フォー・クリニシャンズ(CA: Cancer Journal for Clinicians)でジャーナルの特定の題目に関して専門家自身の独自の見解を述べる趣旨のPerspectivesという特別な種類の医学英語論文で直接引用が行われた例です。

最近の研究で肺がんのスクリーニング内で行われる禁煙プログラムが肺がん治療の費用効率性を高めることに貢献していることが示されたことを受けて医療スタッフの研修や禁煙プログラムをより提供しやすくする体制を整えることの重要性について述べるために主任研究者の言葉を直接引用しています。

The following is one of the best examples of the direct quotation presented by Fillon6(p.283):

Rafael Meza, PhD, senior study author of the JNCI study and an associate professor at the Department of Epidemiology of the University of Michigan in Ann Arbor, Michigan, says that, “Our analysis [in the JNCI study]7, including comparisons between different approaches, shows that cessation programs within lung cancer screening greatly expand the benefits of lung cancer at a reasonable cost making it even more cost-effective.”

以下はフィヨンによる直接引用の最良の例である。

ジャーナル・オブ・ザ・ナショナル・キャンサー・インスティテュート(Journal of the National Cancer Institute)に発表された研究の主任研究者でミシガン州のアナーバーにあるミシガン大学、疫学学科、准教授のラファエル・メサ博士は「異なるアプローチの比較を含むJNCIに掲載された私たちの研究で行われた分析は肺がんスクリーニングの範囲内で行われる禁煙プログラムは手頃なコストで肺がんへの恩恵を大きく拡大するものであり、肺がん治療の費用効率性を更に高めていることを示した」と述べている。

6. Fillon M. Pairing smoking cessation with lung cancer screening may save lives. CA Cancer J Clin. 2021; 71(4): 283-284. doi: 10.3322/caac.21675

7. Cadham CJ, Cao P, Jayasekera J, et al. Cost-effectiveness of smoking cessation interventions in the lung cancer screening setting: A simulation study. J Natl Cancer Inst. 2021; 113(8): 1065–1073. doi:10.1093/jnci/djab002

医学英語論文の本文中の引用 (パラフレーズ)

上記で紹介した特別な場合以外、研究発表を目的とする通常の医学英語論文(例:Research Article, Original Research)を書くためには他の著者の言葉を自分の言葉に書き換えて、つまりパラフレーズし引用符を配置して引用しなければなりません。

引用の方法は(a)の例のように著者名を主語として取り上げて引用する方法と(b)の例のように文章の最後に引用符を配置して引用する方法があります。

基本的にその著者の先行研究が皆様の研究の基盤となる程、重要であったなどその著者名を挙げることに何らかの意義がある場合に(a)の引用方法を使います。

JrやIIIがつく著者のジャーナル文献の引用

英語論文の本文中の引用には著者名にJrやIIIを付ける必要はありません。

(a) Cioffi and Rue8 stressed that understanding the physiology of pulmonary insult is indispensable to improving the outcome of a thermally injured patient.

(b) Understanding the physiology of pulmonary insult is indispensable to improving the outcome of a thermally injured patient.8

シオフィとルーは熱傷患者の治療成果を改善するためには肺損傷の生理機能に関する知見がなくてはならないと強調した。

8. Cioffi WG Jr, Rue LW III. Diagnosis and treatment of inhalation injuries. Crit Care Nurs Clin North Am. 1991; 3(2): 191-198. doi:1016/S0899-5885(18)30730-5

国際機関、政府機関(団体著者)のウェブサイト上のレポート

政府機関などが団体著者の場合は最初の引用で省略形(例:CDC)を紹介し、次の引用からはその省略形を使うようにします。

(a) The US Centers for Disease Control and Prevention (CDC)9 encourage Medium Risk Students to follow a hybrid learning model that constitutes a mixture of virtual learning and in-person learning for all courses. Furthermore, the guidelines established by the CDC9 recommend the institutions of higher education to apply cohorting, alternating, or staggering schedules to minimize contact, especially for courses involving laboratory instructions or with a large number of students.

(b) Medium Risk Students are encouraged to follow a hybrid learning model that constitutes a mixture of virtual learning and in-person learning for all courses.9 Furthermore, the guidelines established by the US Centers for Disease Control and Prevention (CDC)9 recommend the institutions of higher education to apply cohorting, alternating, or staggering schedules to minimize contact, especially for courses involving laboratory instructions or with a large number of students.

アメリカ疾病管理予防センター(CDC)は高等教育機関において中程度リスクの学生には対面とオンラインの講義を含む混合学習モデルを全ての科目において適用することを勧めている。

また、CDCの指針によるとグループ分けやスケジュールを交互にさせたり、ずらしたりするなどの工夫をして特に実験室での実習や大人数の場合は密を避けるように推奨している。

9. Centers for Disease Control and Prevention. Guidance for institutions of higher education (IHEs). U.S. Department of Health and Human Services. Revised July 23, 2021. Accessed August 26, 2021. https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/community/colleges-universities/considerations.html

複数のジャーナル文献の医学英語論文本文中での引用

複数の文献を引用する場合はハイフン(‐)を使って以下のように引用符を配置します。

Consumption of energy drinks, especially among adolescents and young adults, has been a source of growing concern due to its increasing effect on cardiovascular risk,1012consumption of alcohol,13 drug use severity,1415 risky behavior,1617 depression,1820 and suicidality.2122

エナジードリンクの消費は心血管系リスク、アルコール消費、重度の薬物使用、リスク行動、うつ、自殺傾向を高める効果があることから、特に青少年や若者による消費に対する懸念が近年高まり続けている。

参考文献リスト内の著者名の基本的な記載方法

  • 1-6名の著者または編集者の場合は全員の名前を記載する。
  • 7名以上の著者または編集者の場合は最初の3名の名前を記載しet al.を付ける。

1名の著者の場合

Alter HJ.

2名の著者の場合

Cioffi WG Jr, Rue LW III.

3名の著者の場合

D’Agostino RB Sr, Massaro JM, Sullivan LM.

6名以上の著者の場合

Marchetti E, Krantz N, Berton C, et al.

団体著者の場合

WHO Zika Causality Working Group.

1名の著者と団体著者の場合

MacDonald NE; SAGE Working Group on Vaccine Hesitancy.

6名以上の著者と団体著者の場合

Krauer F, Riesen M, Reveiz L, et al; WHO Zika Causality Working Group.

ジャーナル・タイトルの省略形

ジャーナル・タイトルの省略形は米国国立医学図書館目録 (National Library of Medicine [NLM]Catalog)の省略形を参照し記載します。例えばネイチャーメディシン(Nature Medicine)ならNat Medが参考文献リストに載せる省略形になります。参考文献リストではジャーナル名の省略形はイタリック形(斜体)(例:Nat Med)にします。

DOI番号を記入する

DOI番号は“Digital Object Identifier” の略で英語論文をインターネット上ですぐに特定できるデジタルID番号です。最近出版された英語論文のほとんどにDOI番号(https://doi.org/…のリンク)が記載されているので以下の例のように参考文献内の引用の最後にdoi:…の形で加えるようにしましょう。

DOI番号がある1-6名の著者のジャーナル文献

Ahuja A, Safaya R, Prakash G, Kumar L, Shukla, NK. Primary mixed mullerian tumor of the vagina—a case report with review of the literature. Pathol Res Pract. 2011;207(4):253-255. doi:10.1016/j.prp.2010.10.002

DOI番号がある7名以上の著者のジャーナル文献

Marchetti E, Krantz N, Berton C, et al. Component impingement in total hip arthroplasty: Frequency and risk factors. A continuous retrieval analysis series of 416 cup. Orthop Traumatol Surg Res. 2011;97(2):127–133. doi:10.1016/j.otsr.2010.12.004

DOI番号がないジャーナル文献

Lewinnek GE, Lewis JL, Tarr R, Compere CL, Zimmerman JR. Dislocations after total hip-replacement arthroplasties. J Bone Joint Surg Am. 1978; 60(2):217-220.

日本語のジャーナル文献

日本語のジャーナル文献の場合は最初に英訳された論文の表題を挙げ、次に日本語の表題をローマ字で記載し、Article in Japaneseと締めくくります。

Ohtuka M, Chazono H, Suzuki H, et al. A differential diagnosis and treatment for calcific retropharygeal: A report of eight cases. Sekkaichinchakuseikeichoukinen no hachi rei-sono kannbetsushindan to chiryo ni tsuite. Article in Japanese. Nippon Jibiinkoka Gakkai Kaiho.2013;116: 1200-12007.doi:10.3950/jibiinkoka.116.1200

6名以上の著者と団体著者のジャーナル文献

Krauer F, Riesen M, Reveiz L, et al; WHO Zika Causality Working Group. Zika virus infection as a cause of congenital brain abnormalities and Guillain–Barré syndrome: Systematic review. PLoS Med. 2017; 14(1): e1002203. doi: 10.1371/journal.pmed.1002203

一般的な書籍

Dames S. Root Strength: A Heath and Care Professionals Guide to Minimizing Stress and Maximizing Thriving. 1st ed. Elsevier, 2021.

編集された書籍の章

書籍の表題のみ大文字で記載します。

Alici Y, Modhwadia K, Breitbart WS. Psychosocial and psychiatric suffering. In Quill TE, Miller FG, eds. Palliative Care and Ethics.1st ed. Oxford University Press; 2014: 136-161.

編集された書籍の巻

Lloyd RV, Osamura RY, Kloppel G, Rosai J, eds. WHO Classification of Tumours: Pathology and Genetics of Tumours of Endocrine Organs. 4th ed. Vol. 10. International Agency for Research on Cancer (IARC); 2017.

団体著者の編集された書籍

 WHO Classification of Tumours Editorial Board, eds. Thoracic Tumours: WHO Classification of Tumours. 5th ed. International Agency for Research on Cancer (IARC); 2021.

参考文献リストの基本的なフォーマット(雛形)

  • ワード文書を開けてTimes New Romanの12ポイントのフォントでReferencesとタイプしホーム項目のフォント欄で太字(References)にし、段落欄で左揃えにする。
  • 英語論文で紹介された文献の引用符の番号順に並べる。

いかがでしたか?AMA第11版スタイルに関するご質問やご不明な点がございましたらお気軽にご連絡下さい。

Reference

AMA Manual of Style Committee, eds. AMA Manual of Style: A Guide for Authors and Editors. 11th ed. Oxford University Press; 2020.

コメントを追加する

あなたのメールアドレスは公開されません。必須フィールドは*マークされています