Google 製品の代替案を検討してみた
YouTubeが米大統領選で不正があったとする動画は、今後投稿された場合、ユーチューブから削除するという以下のような通達を12月9日に出しました。
これはGoogleが言論統制を行う巨大なモンスターに化した証拠と判断し警戒することにしました。
そしてGoogleのデジタル製品に代わる代替品について調べて見ました。
これらはこれから私自身が試そうと考えている製品がほとんどでThinkific(シンキフィック)以外はまだ実際に試して間もないので本当にお勧め出来る逸品かはどうかはわかりませんが、自分が調べた限りでは検討する価値があるようです。
ブラウザ Chrome▶Mozilla Firefox
Sun Knudsdenさんというインターネット上のプライバシー保護を重視したマーケティング分析会社Lickstatsを創設した方のYouTube動画によるとFirefoxが一番プライバシーに配慮があるブラウザだそうです。
また、The Linux Experimentというテクノロジー系のYouTubeチャンネルの運営者のNickさんという方が実際に色々なブラウザをテストした結果、FirefoxはChromeと比べて際立って劣っているわけではないようです。
実際にChromeからFirefoxに乗り換える手順は
- Firefoxをダウンロードする Windows またはMacでの詳しい方法はこちら
- Chromeからブックマークをインポートする 詳しい方法はこちら
全ての工程で5分もかからなない位に簡単に出来ました。
検索エンジン Google ▶DuckDuckGo or Qwant
DuckDuckGo(ダックダックゴー)は可愛いアヒルのロゴと面白いブランド名が印象的なプライバシー厳守の方針で個人情報を一切保管しないということが最大の売りのアメリカペンシルバニア州発の検索エンジンです。
ホームページの最初に「追跡されずに安心してウェブを検索」「トラッキングに悩んでいるなら当社におまかせ」「私たちは個人情報を保存しません。絶対に。」と明記されていてプライバシー保護に対する厳格な姿勢がGoogleよりはるかに優れている印象でした。
また、様々なブラウザに設定が可能らしく、ちょっと見た感じでは不便は感じそうにありません。
Google以外で検索する動きが必要なのでFirefoxをインストールした後、ダックダックゴーをFirefoxの検索に設定してみました。しばらくはこれで使ってみようと思います。
ダックダックゴーをメインの検索エンジンとする設定はワンクリックでアッという間に出来ました。
Qwant(クワント)はフランス政府がプライバシーに関する憂慮からGoogleの使用を停止しEUの規制に準じたQwantを開発し2013年より使用を始めたというフランス発の検索エンジンです。
ニュース、SNS、画像、ショッピングと配分が分かれており、鮮やかでおしゃれなデザインの外観です。
ファイアフォックスのブラウザとして設定ができる点と検索履歴を記録しないのでプライバシーが守られるとのうたい文句が良い印象です。
設定は日本語に出来ませんが使い始めて第一日目は日本語でも十分検索できました。
しかし、その次の日にまた検索しようとすると「残念ながらあなたの国ではご利用いただけません。」というエラーメッセージが出るようになり、これは日本では使えない検索エンジンであることがわかりました。
更にQwant junior(クワントジュニア)という子供版もあります。
試しに「機関車トーマス」と入れて検索してみたところ、エラーメッセージが出ました。
そこでBearと英語で入れて見るとフランス風のおしゃれで可愛いクマの塗り絵など子供が喜びそうなものが出て来たのでこれは使えるかも知れないと思いました。
ただ、大人用のQwantのようにしばらくしたら「あなたの国では使えません」と使えなくなるかも知れません。
動画共有サービス YouTube ▶LBRY, Vimeo, or Thinkific
ここでYouTube以外の選択肢として検討しているサービスはどれもYouTubeの代替案というより、少なくとも現時点ではYouTubeと併用して使って役に立つサービスと考えらえます。
最初にお客様や視聴者の方に動画を通して自身や自身のビジネスについて知って頂くにはやはり検索エンジンと繋がっていて世界最大の規模であるYouTubeに取って代われるようなプラットフォームはまだないようです。
ただ、最初に紹介しているLBRY(ライブラリー)は有望株としてアメリカのネット民に今注目されており「未来のYouTube」という呼び声も高いようです。
今回の大統領選挙に対するYouTubeの対応にアメリカのネット民は日本のネット民以上に激怒しておりYouTubeからLBRYへの民族大移動が始まるきっかけになったようです。
皆さんの中には真剣にYouTubeチャンネルを運営されていて今回の規制や様々な処遇、そして今後の方針に悩まれていらっしゃる方もいらっしゃると思います。
そこでひとまず私がDistro Tubeというテクノロジー系のYouTubeチャンネルを運営されているDerek Taylorさんという詳しい方がLBRYでの経験について話された動画を観てわかったことをお伝えします。
LBRYは動画の質もYouTubeと同じくらい良くYouTubeと同じように無料でチャンネル登録、コメント、チャンネルフォローができ収益も得られます。
視聴者はクリエーターにLBCと呼ばれる仮想通貨でチップを渡すことも出来、クリエーターはこのLBCでチャンネルから収益を得ることが出来ます。
YouTubeでは収益が得られるのはクリエーターだけですがLBRYでは視聴者も登録すると仮想通貨がもらえ、チャンネルをフォローしたりする度に仮想通貨がポイント的にもらえる仕組みになっています。
なかなか面白そうです。
ほとんどのメジャーな仮想通貨取引場でLBCを本物のドルに替えることが出来るので仮想通貨に抵抗がなければ問題ないそうです。
恐らく日本円に両替もできるのではないでしょうか?
LBRYのサイトはブロックチェーンの技術を使ってオープンソースで作られたプラットフォームなので自分が動画を削除しない限りLBRYが勝手に動画やチャンネルを削除することは事実上不可能とのことです。
悪いところは、YouTubeやVimeoはサイトやブログに動画をキレイに簡単に埋め込むことができますが、LBRYはまだそれが出来ないそうです。
方法はわかりませんがYouTubeの動画と同じ動画をLBRYへ自動的に同期してアップロードできるそうです。
DerekさんはYouTubeに600本近く動画があるそうですが(現在もあります)それとほぼ同じだけをLBRYにもアップロードするのに2日かかったということです。
全ての移行のプロセスが自動的に行われたのでその間は何もしなくて良く楽だったとお話しされていました。
ただ、ある特定の35本ほどの動画はLBRYが受け付けない程、とても長いライブストリームした時の動画だったので移せなかったそうです。
余分な労力なくLBRYに同じ動画がアップできるし、今後急成長して行く勢いなのでLBRYを試さない手はないとの見解でした。
以下からOdyseeを通じてLBRYに登録するとYouTubeチャンネルを自動的にLBRYと同期できる、つまりYouTube動画が削除されてもLBRYと同期していれば何の心配もないということです。
今、大統領選挙への対応に激怒したアメリカのネット民がこちらに押し寄せているそうです。
私も米大統領選不正疑惑の動画があるのでここからリンクサイエンスのYouTubeチャンネルををLBRYと同期しようと行ってみました。
でも今本当に民族大移動が起こっていて人々が殺到しているのかも知れません。
または私のやり方が間違っていたのかも知れません。
上手く出来ませんでした。
恐らく込み合っているのでしょう。
しばらくしてからまた仕事の合間に挑戦しようかと思っています。
Vimeo(ヴィメオ)YouTubeのように無料ではなく一名の年間250GBの使用で8,400円かかりますが広告などは入らず、自分でどの動画をどれ位の期間一定価格で有料にして売るなどより幅広いコントロールが可能です。
フィルム・メーカー、アニメーター、アーティスト、日本の文化や旅に関する動画、高級ブランドのプロモーションなど高品質な芸術性の高い動画を真剣に特に世界に向けて発信したい方には検討の余地があると存じます。
有料で配信したい動画やある特定の視聴者だけに観て欲しい動画だけVimeoに移して興味がある視聴者の方をVimeoへ誘導しYouTubeと併用する使い方が最も効果的かと存じます。
月々7,500円のプランでは無制限のライブストリーミング配信が出来るようです。
私の場合はVimeoは恐らく必要ないですが、興味がある方はホームページへ行ってみてください。
もし、皆さんが私のように教育系、How to 系、レッスン系の動画をいくつかのシリーズでつくっていらっしゃってそれをオンラインコースに発展させたいと考えていらっしゃるのであれば私はThinkific (シンキフィック)をお勧めします。
私はオンラインコースを作ろうとして色々と試しました。
例えばオンラインコースが作れるワードプレスのプラグインなどもいくつか試しました。
しかしプラグインはサイト自体が複雑になり過ぎるため、実際に試してみて素人で技術面よりコースの内容の充実により時間をかけたい方には負担が大きいように私は感じました。
リンクサイエンスのオンラインコースはThinkificで作っています。
Thinkificは日本語や日本円で設定が出来る上、何より無料で3つまでコースが作れるので興味がある方はまず気軽に試すことが出来ます。
YouTubeでチャンネル運営をされた経験があればすぐに簡単にオンラインコースが作れるでしょう。
またオンラインで講義をするには配布資料をアップロードしたり出来るのでYouTubeより断然 先生にも 生徒さんにも使いやすいですからご興味がある方は試して見て下さい。
アクセス解析 Google Analytics ▶Matomo Analytics
Matomo Analytics(マトモアナリティクス)世界中の技術者がオープンソースで開発している無料Webページ解析サービスです。
日本語のデモサイトもあり私の素人目でパッと見た感じだけですがとてもきれいでわかりやすい印象でした。
データの所有権が100%使用者に与えられるのでプライバシーが守られると謳っている点も安心できそうです。
ツイッターやピンタレストなどどのSNSからお客様がよく訪問しているかのデータがわかりやすく閲覧できWooCommerceとも連携できるようです。
メールサービス Gmail▶Zoho Mail
Zohoメールサービスはカレンダー、連絡先、タスク、メモなどGmailとほぼ変わらない機能が揃っており広告なしで使用できる上、見た目もきれいで使いやすそうです。
暗号化されないGmailにより近いメールサービスです。
Gmailと同じようにxxxxx@zohomail.comのメールアドレスなら無料で使用できます。
GmailとYahooから連絡先のインポートも出来るので気軽に移行出来ます。
ただ無料版だと他の会社の広告は入りませんが「Zohoメールを使用して送信しました」という文言がメールに入ります。
自分のドメイン名でビジネス用にメールアドレスを作って使用することも一番安くて年間5GBの1名の使用で1,440円で可能です。
詳しいビジネス用Zohoメール料金プランはこちら
Googleに何もかも支配されないですむことを考えると高くないかも知れません。
またZohoにはGoogle Docsとおなじように文書やプレゼンテーションが作成でき共有できるサービスなどGoogleが提供しているような様々なサービスが揃っている様子です。
暗号化されたメールサービス▶ProtonMail, Tutanota, PrivateMail
以下の3つはどれも暗号化を使用する利用者のみが鍵を持つことで、サービスの管理者、インターネットサービスプロバイダ、その他第三者が勝手にデータを復号することを防ぐエンドツーエンド暗号化(英語: End-to-end encryption、E2EE、E2E暗号化)と言う技術を使ったより安全性の高いメールサービスです。
最初の2つはある程度なら無料で使えます。
プロトンメールの外観はグレーで無味乾燥な印象ですがスイスのCERN研究施設とマサチューセッツ工科大学などの科学者たちにより開発されたメールサービスです。
500 MBのメール保管ストレージの容量と暗号化されたメールサービスが無料で利用できます。
ビジネス用の独自カスタムドメインのメールアドレスを使用するには有料プランへの登録が必要になります。
スイスの厳格なプライバシー保護法に守られた端末間の電子メール暗号化ができる安全性に配慮したメールサービスを提供しているそうです。
暗号化されたメールサービスとしては世界中で最も知名度が高くメジャーです。
ただ、Tom Sparks Reviewsというテクノロジー系YouTubeチャンネルの運営者のTomさんの動画によるとそれほど知名度もなくメジャーではないが Tutanota や PrivateMailの方が評判が良くプランも充実しているのでお勧めだということです。
Tutanota (テューターノータ)はProtonMail(プロトンメール)よりブランド名が知られていない分、より良いサービスで勝負しようと頑張っている様子です。
1 GB のメール保管ストレージの容量と暗号化されたメールサービスだけでなく暗号化されたカレンダーも無料で使えます。
ProtonMailと同様にカスタムドメインを使うには有料サービスへの登録が必要です。
また、有料サービスでは必要な容量だけメール保管を自由に付け足すなどカスタマイズ出来るプランを提供しています。
PrivateMail(プライベートメール)は有料で日本語でのサポートが受けられないのが難点ですが電子メールはもちろんファイル、クラウドストレージまで暗号化出来る上、連絡先とカレンダーも同期出来ます。
私は大切なお客様の機密性の高い英語論文を取り扱い海外とも取引があるため全てが暗号化出来るこのサービスを選んでいます。
ただ一般的な利用には必要ないセキュリティのレベルかも知れません。
機密性の高い情報をお仕事で取り扱われる方には賢い選択肢でしょう。
結論
The Linux Experimentというテクノロジー系YouTubeチャンネルの運営者のNickさんいわく “Don’t put all of your digital eggs in one basket.” 「全てのデジタル製品をひとつのカゴに入れてはいけない。」
つまりGoogleに限らず全てのデジタル製品を同じ会社にするのはプライバシー保護やセキュリティ観点から考えて賢くないそうです。
ハッカーなどから攻撃されたりパスワードを盗まれたりしても全てが害されることがないからです。
これは一理あると納得しました。
テクノロジー系のYouTubeチャンネルの運営者の方々の話を色々と聞いてみた限りではプライバシーと利便性は2つの天秤の両端にあると考えるのがベストだそうです。
言い換えれば利便性を重視するとプライバシーを妥協しなければならなくなり 逆にプライバシーを重視すると利便性を妥協しなければならなくなることもあることを考慮した上でじっくりと考えなければならないということです。
何か他にも良いGoogleの代替品があったらコメントして教えて頂ければ嬉しいです。
同じくこれらの製品を使ったことがある方の体験談もコメントして頂けるとありがたいです。
これから実際にいくつか使ってみて良かったらまた、報告します。
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