Allan Lichtman 2020

1984年から米大統領選の結果をほぼ毎回的中させた「予言教授」が予測する2020年の勝者は?

皆様はワシントンDCにあるアメリカン大学のアラン・リクマン先生(Allan Lichtman)をご存知でしょうか?

リクマン先生は1984年より9回あったアメリカ大統領選挙の結果を8回も的中させたことから “Prediction Professorー予言教授”のニックネームで知られる今最も注目されている政治史学者の一人です。

2012年にヒラリー・クリントン氏が世論調査でも明らかに優位とされ、CNNなどの主要メディアもクリントンの勝利を確定的だと断言していた中でも、リクマン先生はかたくなにトランプ氏が勝つとの予測を最後まで曲げず皆を驚かせました。

日本国内の方を含む様々な専門家がReal Clear Politics.comなどの世論調査の結果、日々何人演説会に人が集まっていたか、候補者の経験、主義主張などを基に色々な予測を立てる一方で、リクマン先生はこれらのもっともらしい要素には全く目もくれず、自身が生み出した“13 Keys to the White House” つまり「13の鍵となる要因」の答えがYESかNOかで勝者を予測すると言うのです。

そしてこのリクマン先生の分析システムではその13の鍵となる要因への答えのうち6以上がNOだと恐らく現職大統領、つまりトランプ大統領が負ける可能性が高くなると判断します。

11月の大統領選に向けネット上にはLichtman2020.comというサイトが開設され2~3か月ごとに「13の鍵となる要因」でトランプ大統領(赤色の象のマークの共和党)が優勢かそれともバイデン氏(青色のDのマークの民主党)が優勢かの予測が更新されているようです。

アラン・リクマン先生が予測に活用する13の要因の詳細と2020年6月1日時点の分析結果は以下の通りです。

1. 政策を実施する権限が強いか?

中間選挙後、米国議会の下院に現職大統領の所属する党の議席が中間選挙前よりより多くあるかで判断します。

NO

2. 党内での指名争いがほとんどないか?

YES

3. 所属している党から現職大統領が出ているか?

YES

4. 強力な第3党の候補者が存在しないか?

YES

5. 短期的な経済指標

選挙キャンペーン期間中に不景気ではないか?

NO

6. 長期的な経済指標

現職大統領の任期中の一世帯当たりの実質経済成長が前2期の平均成長率と同じまたはそれ以上である。

NO

7. 国家の方針に対する現政権の影響力が強いか?

YES

8. 社会不安がないか?

NO

9. 現政権にスキャンダルが無いか?

NO

10. 外交・軍事的失態が無いか?

パールハーバーに攻撃を受けるなどの目立った大きな失態を指す。

YES

11. 外交・軍事的成功があるか?

戦争に勝つなどの派手な成功を指す。

NO

12. 現職大統領はカリスマ性がある国民的ヒーローか?

YES

13. 現職大統領に対抗する候補はカリスマ性がある国民的ヒーローか?

YES

要因1の政策を実施する権限が強いか?がNoになった要因は共和党が2018年の中間選挙で米国議会の下院の議席を失ったことが響いた結果です。

コロナの影響で短期的経済指標(5)にも長期的経済指標(6)にも暗い影がのしかかり社会不安(8)が蔓延しています。

また、ロシア疑惑や弾劾など数々のスキャンダル(9)がありました。

11に関しては金正恩朝鮮労働党委員長と何回か会談を行ったもののこれと言った成果が得られていないことが考えられます。

1月の選挙まであと5か月ばかりになった6月1日時点で上記の図でご覧頂けるようにこの実績のある予測システムの13の要因のうち、6項目がトランプ大統領にとってNOと判断されており、これから政情が刻々と変化するとはいえ、現時点でトランプ大統領の再選はかなり危ないギリギリの状況にあることが見受けられます。

5月26日の虎ノ門ニュースを見て「日本国紀」を書いた小説家で歴史に詳しい百田尚樹先生が日本でのコロナウィルスの緊急事態宣言解除の時期の予測を的中させていることを知りました。

リクマン先生にしても百田先生にしても統計や経済の先生よりこれらの歴史に詳しい先生方が一番予測を的中させていることを目の当たりにして“History repeats itself―歴史は繰り返す”という諺を思い出し歴史から学び歴史を参考にすることの意義について再認識した今日この頃です。

皆様は今年の米大統領選やリクマン先生の予測システムについてどう思われますか?コメントして頂ければ幸いです。

【情報源】

Lichtman 2020.com. (2020, June). 13 key predictions. https://www.lichtman2020.com/keys

Lichtman, A. J. (2012). Predicting the next president: The keys to the White House. Lanham, Maryland: Rowman & Littlefield.

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