Discussion 2

英語論文のディスカッション・セクションを書き始める前に自身にじっくり問いかけるべき11の質問

初めて英語論文を執筆される若手の方はディスカッションを書く際に何から始めれば良いか悩まれる方も多いと存じますが、これらの質問にひとつひとつ丁寧に答えて行くだけで自然にディスカッションが完成します。

ベテランの方でもすぐにディスカッション・セクションを書き始めようとするのではなく、以下の質問を自身にじっくりと問いかけ、これらの質問の回答を出来るだけ多く雑記帳にメモしてアイデアを2~3日十分膨らませるひと手間を惜しまないことでディスカッションにグンと差が付きます。

英語論文におけるディスカッションは著者の思考力が最も問われる舞台であるため同じ研究結果が出たとしても着眼点の面白さや洞察の深さそしてアイデアのプレゼンテーション方法により英語論文を活かすも殺すも出来る著者の手腕が最も問われる英語論文の要の部分です。

これは言い換えれば例え仮説が支持されなかったとしても諦めるべきではなく、なぜ仮説が支持されなかったかに関する深い洞察力に溢れる考察をディスカッションで展開することが出来れば採択される可能性を高めることが出来るという事です。

あるいはある特定のジャーナルから残念ながら採択されず、戦略を変えて他のジャーナルに再挑戦される場合ももう一度ディスカッションを検討し直すことにより英語論文全体の印象を改善できる場合もあります。

ご自身が出版されたいターゲット・ジャーナルやご自身の分野のトップ・ジャーナルに出版された英語論文でこれらの質問への回答がどのようプレゼンテーションされているかに関する特徴を調査されることも一案です。

特に質問4、5、8は著者の思考力や発想力が問われ英語論文を活かすも殺すもできる大きな鍵となりますから共著者の方々ともじっくりと話し合い出来るだけアイデアを出しあって(ブレインストーミングして)考えましょう。

質問9にどう応えるかで皆様の研究のインパクトが左右されます。

1. イントロダクションで紹介された研究の目的は?イントロダクションで述べた研究の目的をパラフレーズしてみましょう。

2. 研究の鍵となる結果、新しい発見は?

3. この研究の強みまたは特徴は何だろう?先行研究と違う点、目新しい点、珍しい点は何だろう?

4. 皆様の仮説や想定していたことと鍵となる結果の関係は?予想通りの結果でしたでしょうか?驚きの結果や発見がありましたか?もしそうならなぜそのような驚きの結果や発見が出たのでしょうか?

5. イントロダクションで紹介した先行研究の結果と照らし合わせて皆様の研究の結果は何を表しているのでしょうか?先行研究と同様の結果の場合は何が示唆されているでしょう?あるいは先行研究とは違う結果だった場合は何が示唆されているでしょうか?

6. 皆様の研究の限界は何だったでしょう?どんな素晴らしい研究にもなんらかの限界があります。限界がない研究はありません。少ない症例数、データの収集期間が短かったなど何らかの限界があるはずです。考えられる限界を全てリストしてみましょう。

7. 皆様の研究の結果はどれ位一般化出来るものでしょうか?つまり他の文化、国、地域、対象者、環境などで同じ研究を行った場合、同じ結果が出ることが想定される可能性はどれ位でしょうか?もし一般化出来る可能性が低い研究結果ならばそのことについて読者に警告する必要があるかも知れません。

もし先ほどリストした限界がなかったら違う結果が出ることが想定されますか?もしそうならどうしてそのような結果が想定されるのでしょうか?

9. 皆様の研究結果は皆様の分野の理論、モデル、パラダイムにどのような影響を与えるでしょうか?皆様の研究結果は皆様の分野や一般社会にこれからどのようなプラスの影響を与えることが想定されますか?つまり研究のimplicationsは?

10. 皆様の研究でまだ答えられていない疑問が残っていますか?

11. 次の研究の課題は何でしょうか?皆様の研究結果に積み重ねるかたちで他の研究者は次に何をするべきでしょうか?次に研究を行う他の研究者は皆様と違う何に気を配るべきでしょうか?

How to respond

こんな時どう応える?国際学会で困った時の会話アイデア

ここ10年間で「英語研究プレゼンテーション」のセミナーや日々の業務の中で皆様から様々な困った事例についてお伺いしました。

ここではその中でも特に最も頻繁にあるケースや対処が難しいと考えられる13のケースへ対処するための会話アイデアを紹介しています。

ご自身の貴重なご経験を共有しご質問頂いた皆様、改めてありがとうございます。

ここに出ている以外にも何かお困りの事例がございましたら以下のコメント欄にコメントして頂けましたら喜んで回答させて頂きます。

目次

声が小さくて聞き取りにくい

“I beg your pardon?”

「恐れ入りますがもう一度おっしゃってください。」

“Could you please speak up?”

「もう少し大きな声でお願いします。」

“Could you please repeat your question more loudly? I could not hear you.”

「もう一度大きな声で質問を反復して頂けますか。聞こえませんでした。」

相手が早く話し過ぎる

“Pardon me, please?”

「もう一度おっしゃってください。」

“Could you please speak more slowly?”

「もう少しゆっくりお話しして頂けませんか?」

“Could you please repeat your question more slowly?”

「もう一度ゆっくり質問を反復して頂けますか?」

何を聞かれたのかわからなかった

“Could you please repeat what you just said?”

「今おっしゃった事をもう一度反復して頂けますか?」

相手の質問の意味がわからない

“I am afraid I don’t understand your question. Could you please explain what (grab the bull by the horn) means?”

「おっしゃることの意味がわかりません。(雄牛を角でつかまえよ)とはいったいどういう意味でしょうか?」

“I am not sure what you are asking. Could you please clarify what (grab the bull by the horn) means?”

「ご質問の意味がいまいちわかりません。(雄牛を角でつかまえよ)というところをご説明頂けますか?」

I am not sure if I understand your question. Could you please state your question in different words?

「ご質問がいまいち理解できません。違う言葉でもう一度質問して頂けますか?」

Could you please paraphrase your question?

「ご質問を違う言葉でもう一度して頂けないでしょうか?」

ESL発表者への配慮を求めたい

“I am not a native speaker of English. I would appreciate it if you could use expressions that are easier to understand and be as clear as possible.”

「英語が母国語ではないのでわかりやすい表現をお使い頂き出来るだけはっきりとおっしゃって頂くと助かります。」

相手の質問が漠然とし過ぎている

I am afraid I don’t understand what you mean. Could you please be more specific?  

「おっしゃることの意味がわかりません。もう少し具体的にお願いできますか?」

Could you please give an example of the situation you are referring to? 

「おっしゃっている状況に関する例を挙げて頂きますか?」

部分的に質問を聞き逃した

Could you please repeat the last part of your question?

「質問の最後をもう一度、言って頂きますか?」

“Excuse me. I think I missed what you’ve just said. Did you say “correlation” or “coordination”?

「すみませんが、ちょうど先ほどおっしゃったことを聞き逃しました。CorrelationとおっしゃいましたかそれともCoordinationとおっしゃいましたか?」

質問が長すぎて何が聞きたいのかわからない

Your question seems a bit too long. Could you please summarize the point of your question?

「あなたの質問は少々長すぎるように思います。質問の要点をまとめて頂けますか?」

相手のアクセントが強すぎてどうにもならない

Could you please come up here and write your question on the white board?

「前までお越し頂いてご質問を白板に書いて頂くことは可能でしょうか?」

Would it be possible for you to come up here and write your question on the white board?

「前までお越し頂いてご質問を白板に書いて頂くことは可能でしょうか?」

真っ向から対立せずに距離を置いて反論したい

It seems to me we, perhaps, need to look at the problem from a different angle.

「もしかしたら問題を違う角度から検討してみる必要があるように思えるのですが・・・。」

相手を尊重しながら自分の立場をはっきりさせて反論したい

“I see your point, but I feel that (the small sample size) is responsible for the unexpected results.”

「おっしゃていらっしゃることはわかりますが、(被験者数が少なかった)ことが想定外の結果の原因のように私は思います。」

誤解を解いて自分の立場をはっきりさせたい

“Let me be clear on this important point. I am not saying that (we should shut down nuclear power plants right away). What I am saying is that (we need to look for alternative sources of energy).”

「この重要な部分に関して私の立場をはっきりさせてください。私は(原子力発電所をすぐに閉鎖するべきだ)と言っているのではありません。私が言いたいのは(代替エネルギーを探すべきだ)ということです。」

自分の知りたかったことに対して対応してもらえなかった

“I am afraid you missed the point of my question. The point I really wanted you to address in my question was XXX.”

「恐れ入りますが私の伺いたかった論点を見逃されたようです。私が本当にお伺いしたかったのはXXXです。」

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Poster Presentation fin

国際学会でのポスター発表の機会を最大限に活かす8つの表現

国際学会の目的はもちろん研究を発表することですが、研究発表だけならジャーナル投稿だけでもできます。研究発表以上に重要な国際学会の目的は皆様の今後のキャリアの発展に役立つネットワークを拡げることです。

だから、ただ、ポスターの前で突っ立っているだけではせっかくの機会がもったいない。せっかくの機会を最大限に活かすために役立つ会話を紹介しています。

また皆様の研究に興味を持たれた方が皆様に後から連絡が取れるようにEメールアドレスを記載した配布資料のご準備もお忘れなく。

ちょっとしたことがきっかけとなり共同研究など何か素晴らしい発展に繋がる可能性もあります。

とにかく出来るだけ立ち止まって下さる方に話しかけて機会を最大限に活かしましょう。

“Thank you so much for stopping by my poster. Would you like me to talk you through our findings?”

「私のポスターの前で立ち止まって頂きましてありがとうございます。研究結果についてご説明いたしましょうか?」

“First, let me start by briefly explaining the background of our research.”

「まずこの研究の背景について簡単にご説明させて頂くところから始めさせてください。」

“This table summarizes our key findings.” 

「この表で私たちの研究の鍵となる結果がご覧いただけます。」

“So, what do we learn from these results?”                 

「これらの研究結果は何を示しているのでしょう?」

“Well, that concludes my poster presentation. Do you have any questions? I will be happy to explain any of our findings in more detail if you are interested.”

「これで私のポスター発表を終わります。ご質問などございますでしょうか?もし、ご関心があるようでしたら研究結果についてもっと詳しくご説明させて頂けますが・・・。」

“Also, here is an A4 scale printout of the poster—my contact information is on it in case if you have any questions later or things you would like to discuss.”           

「こちらが私の連絡先とA4の大きさで複写したポスターの写しです。もし、何か後でお話しされたいことやご質問されたいことがあるかも知れませんので念のためお渡ししておきます。」

“May I ask, what is your line of research? Do you have a poster at this meeting? I will be sure to stop by during your session.” 

「(相手に話しかけて)あなたはどのような研究をなさっているのですか?今回、ポスターを学会で発表されていますか?もしそうなら是非見に行くようにいたします。」

“Thanks again for stopping by. Enjoy the rest of the meeting.” 

「私のポスターの前で立ち止まって下さいまして重ね重ねありがとうございます。残りの学会を満喫されますように。」

“If you are interested in learning more about the kind of research we do at our laboratory, please contact me. Here is my contact info. We could even discuss potential for collaboration if you are interested.”

「もし、私たちの研究室で行っている研究をもっと知りたい場合はご連絡ください。こちらが私の連絡先です。もしご興味がございましたら共同研究の可能性についても話し合えます。」

“Is there a possibility for us to collaborate in this area (of research)?”

「この領域で私たちが共同研究できる可能性はありますか?」

Thereby No.2

日常的には古語でも英語論文では便利に使えるtherebyの活用法

皆様は英語論文を書いていらっしゃって文章がなかなか簡潔にまとめられず悩んだことはありませんか?こんな時therebyの使い方をマスターしていると便利です。

日常的には時にOld Englishつまり古語と称されtherebyはあまり使われなくなったにも関わらず英語論文では簡潔に文章をまとめる上で分野を問わずよく活用されます。

Therebyは「それによって、そのため」を意味する副詞で、何らかのアクションをしたことにより何らかの結果がもたらされることを表します。

例えばWe cleaned up the clutter in our laboratory, thereby making it easier to conduct an experiment. というように散らかった研究室を掃除したというアクションを持って、実験がしやすくなったという結果がもたらされたことが示せます。

この時、therebyの前にはカンマを置きmakingといった動詞の原形にingがついた分詞ではじまる分詞構文がカンマとtherebyの後に続きます。

Therebyを上手く使えるようになるにはまずTherebyとThereforeの違いについて理解しておくことが大切です。

日本語では「それによって」という意味のTherebyは時に「したがって、それゆえに」という意味のThereforeとよく混乱されます。

上記の例文からもわかるようにTherebyもthereforeも何らかの結果をもたらすという点は同じで非常に似通った意味合いですが、厳密に言えばtherebyが何らかのアクションを持ってもたらされた結果を表す場合に使われる一方でthereforeは何らかの理由を持ってもたらされた結果を表す時に使われます。

つまり1番の文は研究室を掃除したというアクションに焦点が置かれて書かれていることがわかります。

このように何らかのカギとなるアクションによってもたらされる結果であることを強調したい時にはtherebyを使って英語論文を書くと重要ポイントにより注目が集められます。

Before

After

同じことを述べるならより簡潔な文の方が良いというのが科学英語の黄金の鉄則ですから断然こちらのAfterのヴァージョンがジャーナル出版に適していることがわかります。

Beforeの文は英文法的には間違ってはいませんが査読者からは「回りくどい」と指摘を受けることが想定されます。

Before

After

Therebyを使うことでSubstance Wのアクションを強調しながら結果をひとつの文ですっきりとまとめることができました。

先ほどの文と見比べて皆様もお気づきのようにジャーナルでは他者が行った先行研究を現在形で書く一方で自身の研究結果は過去形で書く場合が多いという傾向にあります。

これはAnnals of Internal Medicineでtherebyが使われている例です。この例ではHCVを治癒するというカギとなるアクションを持ってリスクが減らされるという結果がもたらされるのでtherebyが的確に活用されているということがわかります。

こちらはNew England Journal of Medicineでtherebyが使われている例です。

ここではナトリウム・グルコース共輸送体2の抑制剤が高血糖障害を減速させるというアクションがカギとなりurinary glucose excretionがincreaseするという結果がもたらされているのでtherebyが使われています。

こちらはAmerican Journal of Sports Medicineからの例です。

ここでは先行研究が示唆したアクションを持ってある特定の患者のリスクが高まることがtherebyを用いて示されています。

まとめるとTherebyは「それによって、そのため」を意味する副詞で、後に分詞構文を取り何らかのアクションをしたことによって何らかの結果がもたらされることを表します。

特に英語論文では何らかのアクションに注目を集めたい時に使うと効果的です。

Recommended sites

ジャーナルに出版された文献がラクラク読める5つのお勧めサイト

ここで紹介させて頂く以下のScience Dailyを始めとする4つのサイトでは様々な分野の有名ジャーナルに出版された最新の研究が専門知識が乏しい一般人にも親しみやすいわかりやすい科学英語で紹介されています。

わかりやすい科学英語でまず読んでみることの利点

Science Dailyなどの記事で親しみやすい科学英語にまず慣れることは今後、皆様が英語研究プレゼンテーションをされる時にわかりやすい口語的な英語で聴衆に話しかける時の参考にもなります。

また、英語論文を書く時はジャーナルで報告された研究結果を自分の言葉に換えて書かなければいけませんから同じことを違う言葉で言い換えるにはどう書けばよいか?

つまりパラフレーズをするにはどうすれば良いか考える時にこれらのサイトで書かれている例が参考になります。

これらのサイトを上手く活用できると皆様が今後キャリアを積まれていく中でリーディングだけでなくプレゼンテーションやライティングなど色々な場面で基礎となる英語の力が最新の研究について知りながら鍛えられます。

皆様はGreat ScientistとただのScientistの違いはどこにあると一般的に欧米で言われていると思われますか?

それはプレゼンテーション能力、特に難しい自分の専門分野の研究を自分の分野以外の他の科学者にも一般の人にもわかりやすく説明する力にあると言われています。

その理由は自分の研究を自分以外の専門分野の人にわかりやすく説明できる能力がある科学者は色々な分野の人々と共同研究をしたり、色々な大きなプロジェクトに参加したり出来るきっかけがつかめるため自分の分野の中に埋もれたままにならずGreatに飛躍できるきっかけがつかめるというわけです。

そればかりか自分の研究の重要性についてビジネスピープルなどにもわかりやすく説明できるので資金や寄付を得られる可能性も高まりますますgreatになれるというわけです。

ですから皆様がわかりやすく一般人にもわかる英語で書かれた研究とその基になった実際のジャーナル文献の英語を読む練習を並行して行われることにより、異なる聴衆や読者へのアプローチの仕方が把握きるようになるため皆様の将来のキャリアに役立ちます。

もちろんこれから初めて英語論文を書き始める方は英語論文を書く第一歩と言えるパラフレーズをする参考にもなりますのでこれらのサイトに掲載された英文記事をまず読んでから実際にジャーナルに出版された文献を読まれることをお勧めします。

これらのサイトの詳しいナビゲーション方法については以下のビデオをご参照ください。

  1. Science Daily
  2. Phys.org
  3. EurekAlert!
  4. Medical Xpress (医療系に特化)
  5. Tech Xplore (工学系に特化)

以下のタイムスタンプをクリックするとビデオでお好きなサイトの説明箇所から視聴できます。

1:10 Science Daily.com

6:40 Phys.org

7:59 EurekAlert!

9:45 Medical Express